【9月3日 AFP】プラスチック製フェースシールドやバルブ付きマスクを着用している人は、くしゃみやせきをした際に目に見えない飛沫(ひまつ)を非常に広範囲にまき散らしている可能性があることを示したシミュレーションモデル研究が発表された。研究によると、この種の防護具を単体で着用する場合は、新型コロナウイルス拡散防止の効果は期待できないという。

【図解】新型コロナウイルスは空気感染するのか?

 1日の米学術誌「流体物理学(Physics of Fluids)」で発表された研究で、米フロリダ・アトランティック大学(Florida Atlantic University)のチームは、レーザーシート(粒子の流れを可視化する光の膜)を用いて、蒸留水とグリセリンでできた微小な飛沫の流れを追跡する実験を行った。飛沫は中空の人体模型の頭部から拡散させ、頭部にはプラスチック製フェースシールドや呼吸バルブ付きマスクを取り付けた。

 フェースシールドは最初、前へ進む飛沫の通過を阻止するが、「放出された飛沫はバイザーの周囲を比較的容易に動き回り、広範囲にわたって広がることができる」と、研究チームは説明した。

 呼吸をより楽にするためのバルブが取り付けられたマスクについては、「排気バルブを多数の飛沫がろ過されずに通過するため、このマスクを着用した人が新型コロナウイルスに感染している場合は、ウイルス拡散防止の効果は期待できなくなる」という。

 どちらのタイプの防護具も快適性を提供するにもかかわらず、新型コロナウイルスの拡散防止を助けるという点では高品質の布地や医療用マスクが優先的となると、研究チームは結論付けている。(c)AFP