【9月3日 Xinhua News】中国科学院南京地質古生物研究所は1日、山東省(Shandong)臨沂市(Linyi)で約5億年前の原始節足動物「Cordaticaris striatus」が見つかったことを明らかにした。カンブリア紀の代表的古生物で「奇妙なエビ」を意味するアノマロカリスの1種で、頭部はハート形をした甲皮で覆われ、当時、海で最もどう猛な捕食者だったとされる。

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 アノマロカリスは大きな体で奇妙な形をしており、素早く獲物を捕まえるための前足と長い尾を持っている。当時、他の動物はほとんどが体長数ミリ〜数センチだったが、アノマロカリスは最大で2メートル以上に達する個体もあり、硬い甲皮で覆われていたことから、ほどんどの種が「海の王」として君臨した。名前や見た目はエビのようだが、現代のエビとの間には類縁関係がなく、既に絶滅した原始節足動物の分類群の一つとされる。

 研究チームが今回発見したのは、体長約30センチのやや小型種で、体長のほぼ半分を占める頭部が巨大なハート形をした甲皮で覆われ、頭部後方の左右のくぼみから大きな眼が突き出ていた。頭部の甲皮の下には、発達した大きな四つの歯と複数の細かい歯から成る円盤状の口器があり、その前方には左右一対の特殊な触手が付いていた。長いとげが密集した触手には、ブレード状の内突起が備わり、この複雑な構造によって、堆積物や海水から獲物をふるい分けて捕食していたと考えられる。

 研究成果は国際地質学誌「Palaeogeography,Palaeoclimatology,Palaeoecology」の電子版に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News