【9月2日 Xinhua News】日本の千葉県出身で、中国で日本語を教える中村紀子さん(50)は、中国の良さについて「人情味あふれる国で、短期間の旅行だけでは、この国の良さを十分感じることは難しい」と語った。一例として、友人や師弟関係など、人と人が結んだ絆が簡単に壊れない点を挙げ、今後も中国にとどまり続ける考えを示した。

 中村さんは今年、中国での生活歴と日本語教師歴がともに18年目を迎えた。大学で東洋史を専攻し、中国の歴史に強い関心を持っており、「三国志(演義)が一番好きで、中国に来てからこのテレビドラマを何度も見た」と打ち明けた。1991年に北京外国語大学(Beijing Foreign Studies University)に1年間留学し、日本に帰国後は進学塾に勤務。97年には同塾初の女性教室長となった。

 2003年に湖北省武漢市に渡り、中国での日本語教師の資格を取得した中村さんは、その後市内の中等職業専門学校で日本語教師を務めた。

 当時の状況について中村さんは「教師になる夢を持っており、日本で見た中国についてのドキュメンタリーで、中国には日本語を学びたい学生は多いが、日本人教師が少ないことを知り、来ることを決めた」と語った。

 中村さんは11年、招きを受けて中南財経政法大学(Zhongnan University of Economics and Law)に移り、日本語教師となった。その過程で、当時教え子だった張君恵(Zhang Junhui)さんと出会った。今では最も重要な友人でビジネスパートナーとなった張さんの助言と協力を得て、中村さんは14年、インターネット日本語ラジオ番組「中村Radio」を立ち上げた。

 18年には大学を辞め、張さんと湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)に移り、インターネットライブ配信番組「中村日本語教室」を開始した。

 通常、番組が午後10時に終わるため、食事に出かけるのは明け方近くになることが多い。中村さんは「長沙市は夜でも多くの店が開いていて、明け方まであちこちに明かりがともっている。日本の居酒屋のような小さな店も多く、食べたいものが何でも食べられる」と語った。中国の多くの都市を訪れた中村さんは、長沙市について、人々が遊びも食事も楽しみ、仕事にも非常に真面目に取り組むため、幸福度が高いとの印象を持っている。

 中国での生活について中村さんは「日本よりも気楽。中国の友情の深さは日本とは全く違っていて、特に湖南省では親しくなると『兄弟姉妹』と呼び合い、非常に義理を重んじる」と説明した。中国人の素晴らしい点については、客観的で事実に基づき真実を求める姿勢を挙げた。

 最後に中村さんは「これからも中国にとどまり、私のような中国に対して親しみを持つ友好的な日本人が多くいることをより多くの人に知ってもらえるよう努力したい」と笑顔で語った。(c)Xinhua News/AFPBB News