【9月2日 AFP】米国防総省は1日に発表した中国の軍事力に関する年次報告書で、中国は現在200発超の核弾頭を保有しており、さらに今後10年以内に倍増するとの見通しを示した。核弾頭を搭載した弾道ミサイルを陸、海、空から発射する技術を伴うと指摘している。

 米国防総省が中国の核兵器に関する推計を明らかにしたのは初めて。中国が保有する核弾頭数について、独立調査で推定されている300発台よりも少ない「200発台前半」と見積もっている。また中国はすでに陸上と海上から弾道ミサイルで核兵器を発射する能力を有しているが、現在、空中発射弾道ミサイルも開発しているという。

 報告書は「中国政府が今世紀半ばまでに米軍や、中国が脅威とみなす大国と対等か、場合によってはそれ以上の軍事力を目指している可能性は高い」と指摘した。

 さらにこの目標を中国が達成し、米国がそれに対処できない場合、「米国の国益やルールに基づく国際秩序の安定に深刻な影響が及ぶだろう」と警告した。

 人民解放軍のうち海軍の戦力はすでに世界最大規模で、艦船および潜水艦の保有数は米海軍の293隻に対し、350隻となっている。

 報告書はさらに中国が、米国と非公式な同盟関係にある台湾を支配下に置くことを欲する中、米中で台湾をめぐる戦争が起きた場合に米国に勝利できるだけの軍事力を求めているとの見解も示した。(c)AFP