【9月1日 AFP】工業的に加工されたジャンクフードをたくさん食べる人は、老化に関連する染色体上の遺伝子マーカーが変化する可能性が高いとする研究結果が1日、オンラインで行われた欧州・国際肥満学会議(ECO-ICO)で発表された。

 いわゆる「超加工食品」を1日に3品以上食べる人は、そうした食品をめったに食べない人に比べて、染色体の末端部位にありDNAとタンパク質から成る「テロメア」が短くなる確率が2倍になるという。

 テロメアの短さは細胞レベルでの生物学的老化の指標であり、今回の研究では食事が細胞の老化を早める要因であることが示唆された。ただし、加工度が高い食品の摂取とテロメアの短縮の相関関係は強いが、因果関係についてはいまだ推測の域を出ないと論文の著者らは警告している。

 人間の体細胞には、遺伝情報を含む23対の染色体が存在する。テロメアには遺伝情報はないが、染色体の安定性と完全性を維持するために不可欠で、ひいては体内の全細胞の機能がテロメアにかかっている。私たちが年を取るにつれ、テロメアは自然に短くなる。このテロメアの短縮は長年、生物学的年齢の指標とみなされてきた。

 スペイン・ナバラ大学(University of Navarra)のマリア・ベスラストロヨ(Maria Bes-Rastrollo)、アメリア・マルティ(Amelia Marti)両教授が率いるチームは、加工度の高いジャンクフードの定期的な摂取とテロメアの短縮の間に疑われる関連性について調査を進めた。

 研究チームは2008年に55歳以上でDNAサンプルを提供し、その後2年ごとに食生活に関する詳細なデータも提供した886人について調べた。この男性645人、女性241人を超加工食品の消費量に応じて、4グループに均等に分けた。

 このうち超加工食品の摂取が多いグループは、家族歴に心血管疾患、糖尿病、血中脂肪異常がみられる可能性がより高かった。一方、超加工食品の摂取が少ないグループは、食物繊維、オリーブオイル、果物、野菜やナッツ類の摂取が多い地中海食と関連付けられた。

 さらに超加工食品の摂取が最も少ないグループに対し、他の3グループが短いテロメアを持っている確率は、超加工食品の摂取量が多くなるにつれて29%、40%、82%と増えていった。

 研究結果は今年、米臨床栄養学会誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション(American Journal of Clinical nutrition)」に掲載された。(c)AFP/Marlowe HOOD