【9月1日 AFP】イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)を直接結ぶ初の商用便が8月31日、イスラエル・テルアビブを飛び立ち、UAEのアブダビに到着した。今回のフライトは、米国が仲介した両国の国交正常化合意を受けて実現したもの。

 エルアル・イスラエル航空(El Al Israel Airlines)971便には、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の娘婿、ジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)米大統領上級顧問ら、米国とイスラエルの代表団が搭乗していた。

 コックピットにアラビア語、英語、ヘブライ語で「平和」の文字が記された同機は、米国旗とイスラエル国旗が掲揚されたアブダビの空港のVIP用ターミナルに着陸した。

 また航空機の航路追跡サイト「フライトレーダー24(Flightradar24)」の記録によると、同機はサウジアラビアの領空を通過。エルアル機が同国上空を公式に飛行するのは初めて。

 トランプ大統領の中東政策の主要な立案者の一人であるクシュナー氏は搭乗に先立ち、「これは歴史的なフライトだ。中東内外における、より歴史的な旅の始まりになることを願っている」「未来は過去によってあらかじめ規定される必要はない。非常に希望に満ちた瞬間だ」と話していた。

 さらにクシュナー氏はアブダビ到着直後、サウジアラビアが自国の領空通過を許可したことに触れ、「実現したのは初めて。可能にしてくれたサウジアラビア王国に感謝したい」と述べた。

 イスラエルのエルアル航空による今回の画期的な直行便は、国際電話のUAEの国番号にちなんでLY971便と指定された。同便は翌9月1日、イスラエルの国番号にちなんだ972便として、帰路に就く予定。

 映像前半はイスラエル・テルアビブで撮影された離陸前の商用便。後半はUAE・アブダビに到着した商用便。8月31日撮影。(c)AFP/Aziz EL MASSASSI with Nir KAFRI in Tel Aviv