ムカジー前大統領死去 84歳 インド政界の「フィクサー」
このニュースをシェア
【9月1日 AFP】かつて漏えいした米外交文書で「国民会議派(Congress Party)の究極のフィクサー(調停役)」と評されたインド政界の重鎮、プラナブ・ムカジー(Pranab Mukherjee)前大統領が8月31日、死去した。84歳。家族が明らかにした。
ムカジー氏は新型コロナウイルスに感染し、数週間前に病院に入院。死因は多臓器不全だった。
ベンガル(Bengal)出身のムカジー氏は、インディラ・ガンジー(Indira Gandhi)元首相の腹心で、ガンジー氏が1975年から77年にわたり「非常事態」を宣言して民主政治を停止した際の閣僚の一人だった。
1984年にガンジー氏が暗殺されると、ムカジー氏はガンジー氏の息子ラジブ・ガンジー(Rajiv Gandhi)氏と国民会議派トップの座を争い敗北。ムカジー氏は一時、国民会議派を離脱したが、1991年にラジブ氏の殺害を受けて再び政治の表舞台に立った。
2004年から14年までの10年間はマンモハン・シン(Manmohan Singh)首相の右腕となり、国防相、外相、財務相を務め、交渉術に長ける人物として党派を超えた評判を得た。2012年からは活動的な役職から退き、主に形式的な存在である大統領の職を2017年まで5年務めた。
国民会議派と対立するインド人民党(BJP)のナレンドラ・モディ(Narendra Modi)現首相はツイッター(Twitter)に、ムカジー氏は「私たちの国の発展の道筋に、消し去ることのできない跡を残した」と述べた。(c)AFP