【8月31日 AFP】インド軍は31日、ヒマラヤ(Himalaya)地域にある中国との係争地で、中国側が「挑発的な」行動をとったとして非難した。同域では今年6月、中印両軍の衝突によりインド兵士20人が死亡している。

 インド国防省は、ラダック(Ladakh)地方東部の中印国境で29日、中国人民解放軍(PLA)が「現状を動かそうと、挑発的な軍事行動を実施した」と発表。

 新たな衝突に発展したかどうかには言及しなかったものの、双方による軍事交渉が31日に行われているとしている。

 同省は、中国軍が緊張緩和に向けた「合意に違反」したと明かし、「インド軍は、パンゴン湖(Pangong Tso)南岸における中国軍の行動の機先を制し、インド側の態勢強化措置を講じ、実地での事実を一方的に変えようとする中国の企図を阻止した」と説明した。

「国境付近のチュシュル(Chushul)で、旅団長レベルによる交渉が行われている」ことも明らかにした。

 6月15日には、中印両軍の兵士によるつかみ合いの乱闘が発生し、インド側の兵士20人が死亡。中国側も、犠牲者が出たことは認めたものの、具体的な死傷者数は公表していない。(c)AFP