【9月14日 AFP】13日に行われた全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)男子シングルス決勝で優勝を果たしたドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)が試合後、今まで3度にわたり惜しくも逃してきた初の四大大会(グランドスラム)タイトルを手にしたことで、今後のグランドスラムではもっと楽に優勝を目指せるようになるだろうと話した。

 決勝でアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)と対戦したティエムは、2セットダウンになった際にはグランドスラム決勝での4敗目が頭をよぎったと明かしたが、そこから劇的な逆転劇で友人のズベレフを2-6、4-6、6-4、6-3、7-6(8-6)で下し、悲願のメジャー初タイトルを手にした。

 今回の勝利により、背負ってきた重荷が下りたティエムは、今後ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の「ビッグ3」からタイトル奪取を目指す中で、より自由にグランドスラムでプレーできるようになるはずだと考えている。

 現在27歳のティエムは、「最大の舞台でも今後はもっと楽になるはずだ」「もちろん、これまで自分が夢見ていたよりはるかに素晴らしいキャリアを送れているとは思っていたが、きょうまでは大きな何か、大きな目標が果たせていないという気持ちが頭の隅にあった」と話した。

「この目標が達成できたことで、非常に大きな大会でも今後はもう少しリラックスして、より自由にプレーできると思うし、そうなることを願っている」

 今後はグランドスラム2勝目を目指して、わずか2週間後に始まる全仏オープンテニス(French Open 2020)に出場し、過去2年の決勝で苦杯をなめたナダルへのリベンジを狙う。

 この日のタイブレークでは足を引きずる場面もあったが、ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)には問題なく臨めるだろうとの見解を示し、「身体的には100パーセント大丈夫だと思う。抱えた問題から回復する時間は十分に取るつもりだ」とコメント。

 その一方で「問題は精神面。自分の気持ちとどう向き合うか。もちろん今まで経験したことがない状況だ。ものすごく大きな目標を達成した。これからの数日で自分がどういう気持ちになるのか分からない」とも付け加えた。(c)AFP/Peter HUTCHISON