【8月31日 AFP】米マサチューセッツ州ボストン(Boston)で30日、インフルエンザの予防接種を児童・生徒に義務付ける新たな州法に抗議するデモが行われ、数百人が集まった。

 マサチューセッツ州は今月8日、新型コロナウイルス流行による影響の緩和を目的に、全米で初めて児童らにインフルエンザ予防接種を義務化。ただ、宗教・健康上の理由がある生徒は対象外としている。

 同州では数か月間学校閉鎖が続いているが、秋におよそ7割の学区が児童・生徒の部分的受け入れを予定している。

 新法に反対するデモ参加者らは州議会議事堂前に集まり、平和的な抗議行動を実施。予防接種の義務付けは個人の権利の侵害だと訴えた。

 参加者の多くは子どもを連れた保護者で、カイロプラクターのカーラ・ルクレール(Carla Lecler)さんはAFPに対し、「私はワクチン接種やそれらの義務付けに強く反対している。子どもが予防接種を受けるかどうかは親が選択するべきだ。特にインフルエンザのワクチンは安全でもない上、必要もなく効果的でもない」と述べた。

 デモの参加者の中には、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の再選を訴える横断幕を掲げる人や、陰謀論を唱える極右グループ「Qアノン(QAnon)」を示すQの文字がプリントされたTシャツを着ている人もいた。

 新型コロナウイルス感染拡大による医療環境の悪化を回避できるとして、複数の保健当局高官がインフルエンザの予防接種を強く勧めているが、接種義務化を求めるまでには至っていない。(c)AFP