【8月31日 AFP】ベラルーシの首都ミンスクで30日、同国で強権統治を続けてきたアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の辞任を求めるデモ行進が行われ、AFP記者と現地メディアの推計によると反政権派10万人以上が参加した。重武装の警察や同国軍が道路を封鎖し、報道によると警察は125人を拘束した。

【図解】混乱続くベラルーシ 大統領選での不正疑惑と大規模抗議デモ

 今月9日に行われた大統領選の結果の正当性が問われる中、抗議デモは3週目に入った。30日のデモの参加者は先週末と同様、同国が旧ソ連から独立して以来最大規模となった。この日、ミンスク中心部の大統領公邸周辺にもデモ隊が集まり、ヘルメットや暴動制御の盾、放水砲を装備した機動隊や特殊部隊が取り囲んだ。

 30日はルカシェンコ氏の66歳の誕生日であり、反政権派はインターネット上でデモ参加者に対し、同氏に対する姿勢を反映した手作りの「独創的な」プレゼントや花を持ってくるよう呼び掛けた。デモでは段ボールで作ったトイレの模型にルカシェンコ氏に対し自身を「流す」よう求めるサインを添えたものや、「独裁者」と書かれたひつぎの模型、大きなゴキブリの絵など、ユニークな物を持つ参加者が見られた。大統領選の最有力対立候補だったスベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は、ルカシェンコ氏を「ゴキブリ」と呼んでいた。

 現地メディアが同国内務省の話として伝えたところによると、デモ開始後2時間で警察は125人を拘束。違法な集団抗議運動に参加した罪に問われるという。

 一方、同国外務省は29日、AFPや英BBC、米政府出資のラジオ局「ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティー(RFE/RL)」などの多数の外国メディア記者の取材許可を取り下げた。政府当局は「テロ対抗措置」を理由としている。(c)AFP/Tatiana Kalinovskaya