【8月31日 AFP】フランス各地で馬などの動物が、体の一部を切り取られるという怪事件が相次いでいることを受け、同国のジュリアン・ドノルマンディー(Julien Denormandie)農相は28日、事件の背後にいる人物らに法の裁きを受けさせると誓った。

 最近、馬の耳が切断される被害に遭った仏中部の村サンタセブ(Saint Eusebe)にある厩舎(きゅうしゃ)を視察した同農相は、ここ数か月間に各地で30頭超の動物が、さまざまな体の部位を切り取られた状態で見つかったと説明。「正義をなすべく、国のあらゆる機関を動員していることを示すためにわれわれはここにいる」と述べた。

 フランスでは先週も、東部リヨン(Lyon)近郊で、頭蓋骨が割れ、鼻の一部が傷つけられた牝馬が死んでいるのが発見されている。

 同農相は「明らかにプロの手口だ。一定のレベルのテクニックを持つ者たちが犯行に及んでいる」と指摘。

 厩舎の所有者は、この牝馬が25日夜、小屋の中で耳を切り付けられた状態で見つかったと説明し、「今はここで寝ている。30分ごとに見回りをしており、疲れる」と、同農相に話した。

 先週にはさらに、ワインの産地で知られるブルゴーニュ(Burgundy)地方の乗馬センターでも事件が発生し、所長が馬を切り付けていた犯人2人に遭遇している。

 所長はこのうち一人の人相を警察に伝えており、警察も目撃者に名乗り出るよう呼びかけている。

 先々週には仏南東部で、内臓を取り除かれた牝馬が、耳をもぎ取られたポニーの隣で発見された。

 ドノルマンディー農相に同行した仏馬術連盟(French Equestrian Federation)の会長は、「めったに目にすることのない、むごたらしい残忍性だ」「カルトだろうか? 動物に対する残忍性は、やがては人間に向かうものだ」と話している。

 同農相はあらゆる動機を視野に入れて捜査が進められていると述べた。

 一連の事件では、ポニーやロバも犯罪者の標的となり、耳や目、鼻、骨の一部が持ち去られている。(c)AFP