【8月31日 Xinhua News】中国商務部と科学技術部は28日、「輸出禁止・制限技術リスト」の調整を実施したと発表した。専門家は今回の調整により、技術輸出を実施または検討している一部の企業が影響を受ける可能性があるとの見解を示した。

 今回のリストの調整は2008年版に基づき53の技術項目で実施。従来の禁止・制限項目から9件を削除し、新たに制限項目23件を追加したほか、技術項目21件で基準と技術パラメーターを変更した。

 技術貿易法規が専門の中国対外経済貿易大学(University Of International Business and Economics)の崔凡(Cui Fan)教授は「新リスト発効時に取引を完了していない技術輸出企業が調整後のリストで制限される技術を輸出する場合、協議と貿易手続きを一時停止し、関連の申請手続きを着実に履行するよう提案する」と述べた。

 崔氏は、世論の注目を集めるバイトダンス(Bytedance)がTikTokの米国事業を売却する可能性を例に挙げ、急速に成長するイノベーション型企業の同社は人工知能(AI)などで多くの先端技術を保有しており、一部の技術が調整後のリストに抵触する恐れがあるとの見方を示した。「バイトダンスが関連技術を輸出するのであれば、許可申請手続きをしなければならない」と述べ、同社の国際業務が急速な発展を遂げたのは国内の協力な技術サポートがあったからであり、その国際事業を円滑に運営し続けるためには、新たな所有者や運営者が誰であれ、ソフトウエアのソースコードやその使用権、技術サービスの中国国内から海外への譲渡や提供が必要となる可能性が高いとの見解を示した。

「バイトダンスは調整後のリストを真剣に検討した上で、関連する取引の実質的交渉を一時停止するかどうか厳粛かつ慎重に考慮する必要がある。まずは法定申請手続きを着実に履行し、状況に応じて次の一歩を取るよう提案する」とも述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News