【8月30日 AFP】チェコのミロシュ・ビストルチル(Milos Vystrcil)上院議長率いる代表団が30日、台湾・台北に到着した。今月に入って、外国の高官が台湾を訪問するのは2度目。民主制の台湾を世界から孤立させ続けようとする中国にとっては痛手となる。

 約90人から成る代表団の訪問の2週間前には、米国のアレックス・アザー(Alex Azar)厚生長官が訪台。台湾を訪問した米閣僚としては、1979年に米国が台湾と断交し中国と国交を樹立して以来、最高位となった。

 台湾に5日間の日程で滞在するビストルチル氏は、立法院(議会)で演説し、蔡英文(Tsai Ing-wen)総統と会談する予定。台湾政府は同氏の訪台を「独裁体制の中国の脅し」に立ち向かうものと評している。

 一方で中国政府は、ビストルチル氏の訪台について「見下げ果てた行為」だと批判。外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は27日、「いわゆる『訪問』を実行するために、彼が台湾行きにこだわることで、中国とチェコの関係の政治的基盤を意図的に台なしにしている」と述べた。

 チェコの首都プラハ市は今年初め、台北と姉妹都市関係を締結し、中国政府の怒りを買った。これを受け、中国・上海はプラハ市との姉妹都市関係を解消した。

 姉妹都市締結の合意書に署名したプラハのズデニェク・フジブ(Zdenek Hrib)市長も、訪台の代表団に加わっている。(c)AFP/Amber WANG