【8月30日 AFP】ツール・ド・フランス(2020 Tour de France)は29日、第1ステージ(ニース・モワイヤンからニース、156キロメートル)が行われ、UTE(UAE TEAM EMIRATES)のアレクサンダー・クリストフ(Alexander Kristoff、ノルウェー)がクラッシュにたたられたステージを制した。

 クリストフは序盤に落車してレース続行も危ういかに見えたが、そこから巻き返してステージ優勝を飾り、総合首位のマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)をまとうことになった。

 新型コロナウイルスの影響により、厳しいウイルス対策の下、例年から2か月遅れで開幕したツールだが、地中海沿いの町ニース(Nice)に降った6月以来の雨はレースを危険な勝負に変え、ある関係者は路面状況をスケートリンクのようだと表現した。

 クラッシュが頻発する中で、グルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)のティボー・ピノ(Thibaut Pinot)、ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe)という地元期待のフランス勢を含めた有力選手も犠牲になった。

 アスタナ(Astana Pro Team)のエースであるミゲル・アンヘル・ロペス(Miguel Angel Lopez、コロンビア)は、ダウンヒル中にスリップして標識に顔から突っ込む衝撃的な事故に見舞われた。チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)勢がけん引するメイン集団は、このアクシデントに驚き、休戦を呼びかけてペースダウンした。

 転倒の影響で6分差をつけられていたクリストフは「ありがたい展開だったし、あのおかげで集団に復帰できた」とコメントしている。

 その後、伝統のプロムナード・デ・ザングレ(Promenade des Anglais)の最後の直線でも、集団のスピードが時速65キロほどに上がった状況で大クラッシュが発生。10人以上の優勝候補が地面に倒れる中、残った30人ほどの選手の中からクリストフが勝利を収めた。(c)AFP/Damian MCCALL