【8月29日 AFP】イランで、10代の娘を就寝中に斬首した父親が、禁錮9年の判決を言い渡された。地元メディアが28日、報じた。ただ殺害された娘の母親は、死刑を望んでいるという。

 男性が親族の女性を殺害するいわゆる「名誉殺人」とみられるこの事件に対しては、国民の間で激しい怒りが広がり、メディアは「制度化された暴力」だとして非難を繰り広げた。

 メディアの報道によると、14歳のロミナ・アシュラフィ(Romina Ashrafi)さんは北部ギラン(Gilan)州ターレシュ(Talesh)の自宅で頭部を切り落とされた。

 少女の母親ラナ・ダシュティ(Rana Dashti)さんはイラン労働通信(ILNA)に対し、「司法当局が『特別な対応』を主張したにもかかわらず、判決は私と家族にとって恐ろしいものになった」とコメント。「夫には二度と私たちの村に戻ってきてほしくない」とし、判決を見直して「死刑」にするよう訴えている。

 ダシュティさんは他の家族の命を危惧しているという。

 報道によると、ロミナさんは15歳年上の男性との結婚を父親が許さなかったために駆け落ちした。だが当局に保護され、自宅に戻れば命の危険があると懇願したにもかかわらず、自宅に連れ戻されていた。

 現地メディアによると、ロミナさんが結婚を望んでいた男性は禁錮2年の判決を言い渡された。だが罪状の詳細は明らかになっていない。

 イランでは女性は13歳から法的に結婚が認められる。(c)AFP