【8月29日 AFP】ファンタジー小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズを手掛けた英作家J・K・ローリング(J.K. Rowling)さんは28日、自身のトランスジェンダーに関する見解をめぐる対立を理由に、米ケネディ家の運営する人権団体から授与された賞を返還すると表明した。

 ローリングさんは今年6月のツイッター(Twitter)投稿で、「女性」の代わりに「月経がある人」という表現を使用することについて、「以前はこの人たちのことを指す言葉があったはず。誰か手を貸して。ウンベン? ウィンパンド? ウーマッド?」と、女性を意味する「ウィメン」を思わせる言葉を並べてコメント。

 この投稿には批判が殺到し、映画「ハリー・ポッター」シリーズで主演を務めた英俳優ダニエル・ラドクリフ(Daniel Radcliffe)さんら出演者も非難の声を上げていた。

 昨年、ローリングさんに「希望のさざ波(Ripple of Hope)」賞を授与した米人権団体ロバート・F・ケネディ・ヒューマン・ライツ(Robert F. Kennedy Human Rights)のケリー・ケネディ(Kerry Kennedy)代表は今月、ローリングさんの主張がトランスジェンダーの人々の「アイデンティティーをおとしめた」と批判する声明を発表。

 これを受け、ローリングさんは自身のウェブサイト上に出した声明で、ケネディ氏の声明は「私がトランスジェンダーを嫌悪し、トランスジェンダーの人々に対する害について責任を負うという誤った見方を示唆する」ものだとし、「私はこの批判に断固として反論する」と表明。

「私に連絡してきたけれど自らの声を届けることができずにいる人々との連帯を示すため、そして私自身とロバート・F・ケネディ・ヒューマン・ライツとの間には深刻な見解の相違があることから、希望のさざ波賞を返還せざるを得ない」と説明した。(c)AFP