【8月28日 AFP】韓国で、新型コロナウイルスに感染し、後に回復した新興宗教団体の信者約200人が28日、治療法の研究に協力するため血漿(けっしょう)を提供した。同団体は、同ウイルスの初期の感染拡大で非難を受けており、汚名をすすぐ意図もあるとみられる。

 研究者らは、新型ウイルス感染症からの回復者の血漿に抗体が含まれるとして、血漿療法の有効性に注目している。

 韓国で最大の回復者群を形成しているのが、カルト集団とのそしりを受けることが多い「新天地イエス教会(Shincheonji Church of Jesus)」だ。

 初期の感染拡大の中心となったのが同教会で、韓国疾病予防管理局(KCDC)によると、国内における感染症例5000件以上に関係しているという。

 今月に入り、流行を封じ込めるための政府の措置を妨害したとして、イ・マニ(Lee Man-hee)教祖が逮捕されていた。

 1週間のうちに、新天地イエス教会の信者1000人以上が血漿を提供する予定だという。

 同教会は「韓国国民に大きな不安と懸念を引き起こした」ことを謝罪するとともに、「キリストの血によって罪があがなわれた」信者らに献血するよう、イ氏からの呼び掛けがあったと明かした。

 今年2月、同教会は激しい非難にさらされ、大統領府のウェブサイトには、その解体を求める140万人超が署名した嘆願書が寄せられた。

 同教会は、キリストの力を受け継いだイ氏が、最後の審判の日に14万4000人を天国に連れて行くと主張している。信者は約20万人いるとされている。(c)AFP