【8月28日 AFP】北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は28日、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党委員長が台風8号(アジア名:バービー、Bavi)の被災地を視察し、「幸運」にも被害は限定的だったと述べたと報じた。

 台風8号は今週、「非常に強い」勢力で朝鮮半島を北上。北朝鮮に大きな被害をもたらす懸念が指摘されていた。

 首都平壌では、正恩氏の指揮した開発計画を代表する「未来科学者通り(Mirae Scientists' Street)」などで街路樹がなぎ倒される被害が出た。また、国営メディアの映像によれば、南部の沙里院(Sariwon)で建物の外壁がパネルが吹き飛ばされた。

 しかし、KCNAの報道は死傷者の有無には一切触れず、平壌南東の農耕地帯を視察した正恩氏が被災状況について楽観的な評価を下したと伝えた。KCNAによると、正恩氏は「非常に心配していた」が「被害は予想より小さかった」と述べ、「幸運」な結果だと述べたという。

 朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」は28日、トウモロコシを手に被災状況について関係者と話す正恩氏の写真を掲載した。

 北朝鮮では通常、放送は午前0時前に終了するが、台風8号が襲来した26日夜から翌27日朝にかけては、国営テレビが夜通しほぼ生中継で台風の進路と被害状況を報じ、放送中の番組を中断して気象情報や警報を伝えるなど異例の対応をとっていた。(c)AFP