【8月28日 AFP】世界保健機関(WHO)は27日、新型コロナウイルス感染者と接触した人は、症状の有無にかかわらず検査を受けるべきだとの考えを示した。これに先立ち、米疾病対策センター(CDC)が突然「無症状なら必ずしも検査を受ける必要はない」と指針を改定していた。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状がなくても感染者と接触した場合は検査を受けるよう促してきたCDCは24日、突然ウェブサイト上の情報を更新し、無症状であれば「検査を受ける必要はない」と表明した。この動きに対してホワイトハウス(White House)の政治的介入を疑う声も上がっている。

 CDCの指針転換について問われたWHOの新型コロナウイルス担当技術責任者、マリア・バンケルコフ(Maria Van Kerkhove)氏は米国の状況には言及しなかったが、「接触者は発症しているかどうかにかかわらずできる限り検査を受けること」を推奨すると述べた。

 バンケルコフ氏は「症状のある患者から感染が広がることは分かっている。また、無症状の人もウイルスを伝染させる可能性があることも分かっている」と指摘。「重要なことは、検査は感染者を見つけて隔離し、接触者の追跡ができるようにするための方策だということだ」 「これは伝染の連鎖を断ち切る上で非常に基本的なことだ」と説明した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、米国がパンデミック(世界的な大流行)対策に失敗しているように見えているのは大規模な検査を行っているからだと主張して、検査数を減らすべきだと繰り返し発言している。

 しかし、トランプ氏の主張は真実ではない。米国は大規模に検査を実施しているが、感染の拡大状況は他国よりはるかに深刻で、これまでに580万人以上の感染が確認され、およそ18万人が死亡している。(c)AFP