【8月28日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は27日、苦境に立たされているベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領に対し、警察の予備組織を配置する準備があると言明した。一方、不正疑惑が出ている大統領選後に起きた騒乱やデモをめぐり、平和的な解決も要請した。

【図解】混乱続くベラルーシ 大統領選での不正疑惑と大規模抗議デモ

 9日の大統領選前のルカシェンコ氏とプーチン氏の関係は悪化していた。ベラルーシはロシアとの統合を深めることを拒否し、ロシア政府が国境を越えて傭兵(ようへい)を送り込み、暴動を組織したとも主張していた。それでもプーチン氏は27日、ベラルーシへの警察力の支援を約束し、状況が悪化した場合に配備する法執行機関の予備組織の準備を整えたと述べた。

 プーチン氏は「統制不能な状況にならない限り(予備組織が)使われることはない」と表明。「過激派分子が(中略)車や住居、銀行に火を放ったり、行政機関の建物を占拠したりする」状況が出始めない限り、配備しないと説明した。それでもプーチン氏は、ベラルーシの当局者らと反政権派に対し、この危機から平和的に「抜け出す方法を見つける」ことも要請。ベラルーシに問題があったことを認め、「そうでなければ人々が街頭に出ることはない」と指摘した。

 一方、北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は、ベラルーシは「独立した主権国家」であり、ロシアはベラルーシの危機に介入すべきではないとけん制した。(c)AFP/Tatiana Kalinovskaya