【8月27日 AFP】新型コロナウイルスの流行により世界各地で学校が閉鎖された際、その影響を受けた全世界の子どもの少なくとも3人に1人、約4億6300万人が遠隔授業を受けることができなかった。国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が26日に公表した調査報告書で明らかになった。

 この報告書は、約100か国から集めた一般市民のインターネットやテレビ、ラジオの利用状況を調べたデータに基づいている。

 これによると、全世界で推定4億6300万人の子どもが、遠隔授業を受けるために必要な機材を持っていなかったり、そうした通信環境になかったりするという。

 ユニセフは、全世界で15億人の子どもがロックダウン(都市封鎖)や学校閉鎖の影響を受けていると推定する。

 報告書はまた、子どもの遠隔授業の利用状況に深刻な地理的格差があることを明確に示した。例えば、欧州で遠隔授業を受けられない子どもの数は、アフリカや一部のアジアでの数に比べるとはるかに少ない。

 ユニセフのヘンリエッタ・フォア(Henrietta Fore)事務局長は、「これほど多くの子どもの教育が数か月間も完全に中断されてしまったことは、世界的な教育危機だ」と述べ、それは「今後数十年にわたって経済と社会に影響を及ぼす恐れがある」と警鐘を鳴らした。(c)AFP