【8月28日 Xinhua News】中国農業農村部はこのほど記者会見を開き、各部門の責任者が人々の関心が高い食糧問題について説明した。

 栽培業管理司の潘文博(Pan Wenbo)司長は、今年の秋に収穫される食糧は豊作となる条件がそろっているとの見方を示した。作付面積は12億8400万ムー(約8560万ヘクタール)と、500万ムー(約33万ヘクタール)以上増えるほか、生育状況は総じて正常で、豊作が見込まれるとした。

 市場・情報化司の唐珂(Tang Ke)司長は、今年の夏に収穫する食糧は豊作となっており、うち小麦の収穫量は0・6%増だったと明らかにした。中国の小麦をめぐる全体的な状況をみる限り、供給の心配は無用で、価格も上昇し続けることはないと説明。小麦は数年間豊作が続いており、在庫量は約1年分の消費量に相当すると強調した。

 また、8月10日時点で主産地の小麦買い付け量が前年同期比106億キロ減の累計440億5千万キロとなったことに関し、前年同期からやや減少したとはいえ、直近3年間の平均と大体同じだと指摘。今年は主に政策的な買い付けが減少しており、市場化された手法での買い付けはほぼ通常通り進んでいると説明した。

 トウモロコシの平均買い付け価格が東北地域で1トン当たり約2150元(1元=約15円)、華北地域で約2400元と年初から30%ほど上昇したことについては、農業農村部の判断として①価格上昇は回復によるものであり、総じて適正なレンジで推移している②市場では供給が全体的に確保されており、価格はこれから徐々に安定に向かう-との2点を示した。

 潘氏によると、すでに収穫が終わっているわせは豊作で、今年は作付面積が450万ムー(約30万ヘクタール)以上増え、7年続いた減少傾向から一転した。8月中旬にはおくての作付けがほぼ終了し、作付面積は400万ムー(約27万ヘクタール)以上増える見通しで、10年連続の減少に歯止めがかかるとみられる。また、現時点でおくての生育状況は総じて通常通りとなっている。

 唐氏は、今年に入り、新型コロナウイルスの世界的なまん延が客観的な要因となって大豆の需要が抑えられたと指摘。原油価格の低迷でバイオマス燃料の需要が減退したことも加わり、世界的に大豆の供給には余裕があり、国際価格も全般的に安定しているとして、中国が大豆を輸入する上でプラスになるとの認識を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News