【8月27日 AFP】東地中海の天然ガス資源と海域の権益をめぐってギリシャとトルコの対立が深まる中、ギリシャは26日、地中海で欧州連合(EU)の同盟国と合同軍事演習を行い、一方のトルコも近隣海域で米海軍と合同演習を実施した。

 ギリシャは26日から3日間の予定でフランス、イタリア、キプロスとの軍事演習を開始。トルコも25日にイタリア海軍と演習を実施していた。

 また、26日にトルコとの演習に参加した米海軍の駆逐艦は、24日にクレタ(Crete)島南方でギリシャ海軍が行った合同演習にも参加した。

 キプロスとクレタ島の間に位置する海域はエネルギー資源が豊富で、これをめぐって領有権が争われている。より多くの軍艦が同海域に集まって今回の演習が行われる中、北大西洋条約機構(NATO)と欧州諸国の多数の政府関係者はより冷静な行動を求めている。

 同海域での緊張の高まりは、周辺諸国だけでなくEUと米国政府にとっても最重要課題となっている。

 ギリシャのキリアコス・ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との電話会談後、ギリシャは「大幅な緊張緩和の用意ができているが、トルコが直ちに挑発行為をやめることが前提だ」と述べた。

 しかしトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は26日、協議の再開前にガス田探査を一時中断するといった前提条件には応じるつもりはないと断言した。(c)AFP/Hélène COLLIOPOULOU with Raziye AKKOC in Ankara