【8月27日 People’s Daily】ヤクが群れをなし、のんびりと草を食べている。ここは中国・甘粛省(Gansu)甘南チベット族自治州(Gannan Tibetan Autonomous Prefecture)合作市(Hezuo)の香拉村。村の住民で52歳のガドゥツァイランさんは昨年7月から観光地、「香拉花海」の門衛を始めた。倉庫の保管員も兼務した。月収は3000元(約4万6000円)。ガドゥツァイランさんはここで生まれ育ち、結婚したが、長い間、生活は苦しかった。最近の数年、ようやく希望を感じられるようになった。

 ガドゥツァイランさんは「私たちの主な仕事はヤクの放牧だったが、あまりお金にならなかった。家は貧しく、どうしようもなくなったときには、ヤクを売り払うほかなかった。最も苦しかった時期には、親類の援助に頼った」と振り返る。

 2018年初め、行政機関の仲介で飼い葉を生産する会社、緑豊源草畜科技有限公司が香拉村を支援することになった。ガドゥツァイランさんは自分の12ムー(約8000平方メートル)の土地をこの会社に預け、妻とともに会社で働き、毎月、賃金をもらえるようになった。土地1ムーあたり毎年、650元(約1万円)の配当も出た。生活はようやく楽になってきた。

 緑豊源公司は観光業も少し営んでいた。後に香拉村の40ムー(約2万6000平方メートル)余りの土地に百日草を植えたところ、開花の時期に多くの観光客が押し寄せた。

 そこで会社は「香拉花海」を建設することにした。これに伴い、ガドゥツァイランさん夫婦は新しい仕事に就くことになった。

 妻のダンジツァオさんは今年53歳。以前は農業を営んでいたが、昨年4月、百日草の苗を育てるところで働き始めた。苗の育て方、肥料の与え方を学び、1日当たり110元(約1690円)をもらった。「職場は自宅の近く。子供の世話もできるし、収入もある。毎日、花に接し、とても楽しい」とダンジツァオさん。

 ガドゥツァイランさんは今年5月、自分の蓄えと長距離輸送の仕事をする息子の資金を使い、さらに3万元(約46万円)を借りて自宅を改修した。

 1階は自分たちが住み、2階はお客さん用にした。改修ではチベット族の様式を採用した。「観光客に本物のチベット族の生活を体験してもらう」とガドゥツァイランさん。妻は料理が上手だし、息子の嫁が客を接待する。

 客は8人まで受け入れられる。1人1泊で50元(約770円)。満員なら1日で400元(約6150円)稼げる。(c)People's Daily/AFPBB News