【8月27日 AFP】(写真追加)米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は今週、自らが次期大統領選の共和党候補として正式指名された米共和党全国大会に一家総出で臨んでいる。

 米大統領選では通常、候補の伴侶や子どもたちは、候補を囲んでその資質を際立たせる演出的な役回りと決まっている。だが、トランプ氏の場合は全く違う。メラニア(Melania Trump)夫人や4人の子どもたちが、スピーチのために次々と単独でステージに立つ。

 トランプ・ファミリーの面々は「候補者とその人柄についてコメントできるだけでなく、トランプ政権下でそれぞれが直接関わってきた政策問題についても実質的なコメントができるからだ」と解説するのは、米ノースイースタン大学(Northeastern University)の政治学教授、コスタス・パナゴポウロス(Costas Panagopoulos)氏だ。トランプ一家は「政権や共和党政治と密接に結びついてきた」「もはや大統領候補の家族の一員ではなく、それぞれが政治家であり、政権の一部となっている」。

 トランプ氏と最初の妻イバナ・ゼルニーチコバー(Ivana Zelnickova)さんとの間に生まれた3人のきょうだいである長男ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr)氏、長女イヴァンカ(Ivanka Trump)氏、次男エリック(Eric Trump)氏は、ホワイトハウス(White House)で正式な地位に就いたり、トランプ氏の政策を熱烈に支持して大統領選にも積極的に関与したりしている。

 トランプ・ジュニア氏とエリック氏は、トランプ氏とトランプ氏一族が経営する複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)の事業を引き継いで運営するために普段はニューヨークにとどまっているが、ジュニア氏は特にツイッター(Twitter)上で父親を常々強烈に擁護。ミーム(ネット上で広がっていく画像や言い回しなど)や陰謀説を連投し、挑発屋としての看板を掲げるトランプ陣営の花形でもある。

 党大会2日目の25日にステージに立ったのは、トランプ氏の3番目の妻であり、現ファーストレディーのメラニア夫人だ。専門家らは前回2016年大統領選前の共和党大会でメラニア夫人が行った演説が、ミシェル・オバマ(Michelle Obama)前大統領夫人の2008年民主党大会での演説と酷似していた点を再び持ち出したがるだろう。

 25日には次男エリック氏と、トランプ氏と2番目の妻マーラ・メイプルズ(Marla Maples)さんとの間に生まれた娘のティファニー(Tiffany Trump)さんも壇上で応援演説をした。

 夫のジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)大統領顧問とともにホワイトハウスでトランプ氏を支える娘のイヴァンカ・トランプ大統領補佐官は最終日の27日、党大会の締めとなるトランプ氏の指名受諾演説のプレゼンターとして登場する。