【8月26日 AFP】北朝鮮の国営メディアは26日、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党委員長が党会議に出席し、新型コロナウイルスと今週上陸が予想される台風への警戒感を示したと報じた。金委員長をめぐっては、健康状態について国際的に臆測が飛び交っている。

 韓国の情報機関によると、金委員長は「統治ストレス」緩和のために権限の一部を妹の金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)氏に委譲しており、韓国の元政府高官の一人は、明白な証拠はないが金委員長が昏睡(こんすい)状態にあるとの見解を示している。

 しかし、北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は、金委員長が25日に開かれた党会議を取り仕切ったと報じた。会議の中で金委員長は、「極めて有害なウイルスの侵入を阻止するための、緊急事態時の流行対策の欠陥」を指摘したという。

 北朝鮮では、新型コロナウイルスの感染者が一人も確認されていない。

 朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」は、白のスーツで会議に出席する金委員長の写真を複数掲載した。その中には、同氏がたばこを吸っているとみられる写真もあった。

 会議ではまた、今週上陸が予想されている台風8号による農作物への被害や人命被害を防ぐための緊急措置が議論された。

 複数の専門家は金委員長の体調悪化説を重要視しておらず、韓国情報機関によるこれまでの北朝鮮情勢の報告にも多少問題がある。(c)AFP