【8月26日 AFP】リベリアの首都モンロビアで25日、同国で増えるレイプ事件にジョージ・ウェア(George Weah)大統領の政権が対処できていないとして、黒い服を身にまとった大勢の人が抗議デモを行った。

 女性の権利団体「ウィメン・エンパワーメント・ネットワーク(Women Empowerment Network)」のマーガレット・テイラー(Margaret Taylor)代表はAFPに対し、「6月から8月にかけてレイプ事件が600件以上確認された」と述べた。

 参加者らは、「もうたくさんだ」という標題の請願書を提出。加害者を処罰するための司法予算と、被害者支援のための保健予算の増額を求めた。

 2016年の国連(UN)報告書によると、2015年に人口約450万人(当時)の同国では803件の性的暴行事件が発生したが、有罪になったのはその2%にすぎなかった。

 国連はこれについて、リベリアに根付いている「免責の慣習」が影響していると指摘。同国で2003年に終結した14年にわたる内戦ではレイプが武器としてよく用いられていた。この内戦中、女性の61~77%が性的暴行を受け、捜査はほぼ行われなかったという。

 同報告書は、不十分な法制度や汚職、政府の怠慢や問題への財政的制約に加え、同国に根付く家父長的な考えや社会的圧力も性犯罪が見逃される要因として挙げている。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の2017~18年の報告書によると、リベリアではドメスティック・バイオレンス(DV)や性器切除、未成年者の結婚もまん延している。(c)AFP