【8月26日 AFP】世界保健機関(WHO)は25日、アフリカでのポリオウイルス根絶を宣言した。世界で数十年にわたり続くポリオ撲滅の取り組みが一つの節目を迎えた。

 ローズ・ガナ・フォンバン・レケ(Rose Gana Fomban Leke)教授が率いる委員会は、アフリカが根絶の条件である4年間の新規感染ゼロを達成したと認定。レケ氏は「きょうはアフリカにとって歴史的な日だ」と表明した。

 WHOによると、ポリオウイルスは天然痘に次ぎ、アフリカで根絶された2つ目のウイルスとなった。

 アフリカでのポリオは、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」がワクチン接種を妨げていたナイジェリアで2016年に発生したのを最後に、新規感染が確認されていなかった。

 今年新規感染が確認されたのはアフガニスタンとパキスタンのみで、計87人が感染した。

 ポリオは正式名を急性灰白髄炎といい、ウイルスが脊髄に炎症を起こし、子どもに永久的なまひを引き起こす感染症。世界中で流行し、1950年代にワクチンが開発されたが、アジアやアフリカの貧困国の多くではワクチンが普及しなかった。

 WHOと国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)、国際奉仕団体「ロータリー(Rotary)」は1988年、世界的なポリオ根絶計画を開始。同年には世界で35万人の感染が確認され、1996年にはアフリカだけで7万人が感染していた。

 映像はアフリカ各国でポリオのワクチンを接種する子どもたち。WHOアフリカ地域事務局(AFRO)とユニセフが提供・撮影日不明。(c)AFP