【8月25日 AFP】ナイジェリアの北半分にある農村部で、武装集団による襲撃が激化しており、殺害された住民が今年前半だけで1100人を超えた。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が24日、報告した。

 同団体は6月末までの統計を公開し、「ナイジェリア当局は農村部を暴れ回る武装集団のなすがままにし、同国の北半分では今年1月以降、少なくとも1126人が殺害された」と明らかにした。

 同国ではここ数年、「盗賊団」と呼ばれる武装した牛泥棒らによる襲撃や、牧畜民と農民の間の土地の利権をめぐる衝突で、殺人行為が繰り返されている。

 アムネスティ・インターナショナルは、カドゥナ(Kaduna)、カツィナ(Katsina)、ナイジャ(Niger)、プラトー(Plateau)、ソコト(Sokoto)、タラバ(Taraba)、ザムファラ(Zamfara)の7州で聞き取りを実施。住民は、襲撃や拉致の恐怖におびえながらの生活を証言したという。

 同団体のナイジェリア代表、オサイ・オジホ(Osai Ojigho)氏は、「同国の北側の農村部での恐ろしい襲撃がここ何年も続いている」と述べ、「こうした予測可能な襲撃から村人を守るために治安部隊が十分な措置を講じない怠慢が続く現状は、全く恥ずべきものだ」と非難した。

 武装集団は略奪を行い、村々に放火する他、身代金要求のために頻繁に人質を取っており、こうした行為に思想的な動機はないとみられている。専門家の多くは最近、この武装集団と同地域で活動するイスラム過激派集団を結び付けて考えるべきではないと警告している。(c)AFP