【8月25日 AFP】新型コロナウイルスの流行で経済的な危機に直面しているインド南部の高級リゾートホテルは、プールを養魚場として活用し、経営悪化を食い止めようとしている。

 ケララ(Kerala)州にあるアべダ・リゾート(Aveda Resort)では、長さ150メートル、水量750万リットルのプールはかつて欧州からの旅行客でいっぱいだった。しかし今は、約1万6000匹のまだら模様の魚パールスポットが元気に泳いでいる。

 3月に全国的なロックダウン(都市封鎖)が導入された際、アべダ・リゾートも閉鎖を余儀なくされた。それ以降、営業再開が可能となったホテルはほとんどない。

 アべダ・リゾート総支配人のジョーティッシュ・スレンドラン(Jyotish Surendran)氏は、「収益はゼロだったので、6月に生後2か月のパールスポット1万6000匹ほどをプールに入れた」と説明した。

 十分に成長するまでに約8か月を要するパールスポットは、南インドや中東で人気の食材だ。

 スレンドラン氏は「11月までに水揚げし、中東に輸出する予定だ」と述べた。プールで育てている約4トンのパールスポットは、市場価格4万ドル(約420万円)になると見込んでいる。

 多くのホテルが経営破綻する中、一時的な養殖業で新型コロナ流行による損失を穴埋めすることはできないという。しかしスレンドラン氏は、養殖による利益で基本的な経費を賄うことで、観光客が戻ってくるまで経営を続けられるとの望みを抱いている。(c)AFP