【8月25日 AFP】中国企業傘下の動画共有アプリ「ティックトック(TikTok)」は24日、米国での同社の事業を禁止する大統領令をめぐり、米政府を相手取り訴訟を起こした。

 世界の二大経済大国である米中の緊張が高まる中、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は6日、国家安全保障上の懸念を理由に、ティックトックの親会社である中国系IT企業バイトダンス(ByteDance、字節跳動)との取引を45日後から禁止する大統領令に署名。これは事実上、ティックトックを米国企業に売却する期限を設定したことになる。

 ティックトックは訴えの中で、ユーザーが娯楽的な短編動画を共有する同社のプラットフォームは「異常な脅威」ではないと主張。トランプ氏の大統領令は「そのような極端な行動を示す証拠もなく、コミュニティーの権利を剥奪する可能性」があるもので、国際緊急事態経済権限法(International Emergency Economic Powers ActIEEPA)の乱用だと訴えた。

 一方でトランプ政権は、連邦職員の居場所の特定や人々を脅迫するための記録作りや、企業スパイ活動にティックトックが利用される可能性があると主張している。

 ティックトック側は米国のユーザーのデータを中国政府に提供したことはないと断言しており、また中国政府は、トランプ政権によるティックトック締め出しを政治的なものだと非難している。(c)AFP/Glenn CHAPMAN