【8月25日 AFP】中国・香港の研究者らは24日、新型コロナウイルスの再感染を世界で初めて確認したと発表した。自然感染やワクチン接種で獲得される免疫の持続性に疑問を投げかける研究結果だ。

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 研究を主導した香港大学(University of Hong Kong)の微生物学者で医学准教授の杜啓泓(Kelvin Kai-Wang To)氏は、「新型コロナウイルス感染に対する免疫は生涯続くものではないこと、それどころか、再感染がすぐに起こり得ることを、研究は実証している」と言明。AFPの取材に対し、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者は、回復後に再び感染しないと想定するべきではない」と述べた。

 再感染が確認されたのは、今月欧州から帰国した香港の男性(33)。香港国際空港(Hong Kong International Airport)で必須検査を受けた際、PCR検査で陽性反応が出た。男性はこの4か月半前に新型コロナウイルスに感染し回復しており、また感染から短期間しかたっておらず免疫があると想定されていたため、陽性反応は予想外だった。

 男性が感染症を再発したのか、新たに感染したのかを調べるため、杜氏の研究チームは男性が感染した2つのウイルス株の遺伝子配列を検出し、全遺伝情報(ゲノム)を比較解析した。この結果、2つのゲノムは「全く異なる」ものであり、異なるコロナウイルスの系統に属することが分かったという。

 杜氏が筆頭執筆者を務めた論文は、米医学誌「臨床感染症学(Clinical Infectious Diseases)」に掲載される予定。(c)AFP/Marlowe HOOD