【8月24日 東方新報】中国・湖北省(Hubei)の武漢市(Wuhan)で今月15日から21日までの期間、2020年武漢ビールフェアが東西湖碼頭潭文化遺跡公園のメーン会場ほか28か所の分会場で開催された。期間中、メーン会場への来場者は10万人を数え、ビールなどの売り上げも100万元(約1500万円)を超えた。新型コロナウイルス感染症の最初の流行地として厳しい都市封鎖も実施されていた武漢だが、ようやく「夜間経済」の活力を取り戻し、観光客の足も回復しつつある。

 このビールフェアは、武漢のビール文化とB級グルメ、長江沿いの景観やショッピングを同時に堪能する夏の夜のイベントとして今年初めて企画された。メーン会場では、コンサートや雑技などのパフォーマンスが日替わりで上演されたほか、92のブースでビールと美食の屋台、出店が並んだ。

 また市内各地で28の分会場が設置され、ショッピングモールやホテルなどとも連動、市内の名所のライトアップも増え、市全体でお祭りムードを演出。ビールやつまみを片手に夜景を楽しみながら散策する観光客の姿であふれ、無料のテイスティングブースでは長蛇の列もできた。

 酷暑で知られる夏の武漢は、日が暮れたあとが市民の憩いの時間となる。家族、友人らと戸外で冷えたビールを飲み、ザリガニ炒めや熱乾麺などの武漢B級グルメをつまむのは、武漢市民にとって、夏の宵の最高の過ごし方。武漢は、中国で最も売れているビール「雪花(Snow)」が2018年に華中(かちゅう)最大のビール工場を建設したほか、アンハイザー・ブッシュ(Anheuser-Busch)が最初にバドワイザー(Budweiser)工場を建てたビールの街でもあり、市民のビール好きも格別だ。

 新型コロナウイルスのまん延で、今年上半期は観光客どころか、市民が友人同士で宴会を行うことも、屋台を食べ歩くこともままならなかったが武漢だが、6月ごろから徐々に日常を取り戻しはじめていた。ここでさらに武漢の飲食消費経済に勢いをつけようと、ビールフェアが実施されたわけだ。市内各地に設置された野外テントに設置された臨時ビアガーデンで、ビールジョッキを傾ける市民や観光客の中には、マスクを外している姿も増えてきている。 (c)東方新報/AFPBB News