【8月25日 People’s Daily】中国国家鉄路集団はこのほど発表した「新時代交通強国鉄道先行計画綱要」の中で、2035年までに率先して現代化鉄道網を完成すると打ち出した。全国鉄道網の営業距離は20万キロ前後で、うち高速鉄道は7万キロ前後になる。列車には北斗衛星測位、5G、新型スマート列車制御システムなどの新技術が搭載される。2050年までにより高水準の現代化鉄道強国を全面的に完成し、社会主義現代化強国の建設に全面的に貢献し、それをサポートする。光明日報(Guangming Daily)が伝えた。

 データによると、今年7月末現在の中国の鉄道営業距離は14万1400キロで、世界2位となっている。高速鉄道は3万6000キロで世界一。

 国家鉄路集団発展・改革部の丁亮(Ding Liang)副部長は「今回の計画綱要によると、全国鉄道網は2035年に20万キロ前後に達し、うち高速鉄道が7万キロ前後となる。人口20万人以上の都市が鉄道でカバーされ、50万人以上の都市に高速鉄道が通り、全国1、2、3時間高速鉄道移動圏が形成される。1とは北京市から天津市(Tianjin)、上海市から無錫市(Wuxi)、成都市(Chengdu)から重慶市(Chongqing)など、主要市街地(郊外)間の1時間での移動だ。2は北京から石家荘市(Shijiazhuang)、上海から南京市(Nanjing)や杭州市(Hangzhou)、広州市(Guangzhou)・深セン市(Shenzhen)・香港・マカオ(Macau)から珠江(Pearl River)デルタ周辺都市など、都市圏内の主要都市間の2時間の移動だ。3とは隣接する都市圏および省都間の3時間の移動だ」と述べた。

 同計画綱要によると、鉄道営業距離が大幅に増加するほか、中国の鉄道の自己革新力と産業チェーン現代化水準が2035年までに全面的に向上する。率先してスマート高速鉄道を完成し、スマート鉄道の実現を加速させ、中国を世界鉄道科学技術革新の優位に立たせる。

 国家鉄路集団科技・情報化部の張伯駒(Zhang Boju)ネットワークセキュリティーディレクターは「当集団は近年、スマート京張、スマート京雄などの重点プロジェクトにより、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、モノのインターネット、人工知能(AI)、北斗測位、ビルディングインフォメーションモデリング(BIM)などの新技術を幅広く活用し、中国スマート高速鉄道の体制・枠組みをおおまかに構築し、中国のスマート高速鉄道の建設・発展の新たなページをめくった。鉄道当局は今後、引き続き技術の研究開発を強化し、中国の高速鉄道の技術的な優位性をさらに維持する」と述べた。

 同計画綱要によると、中国は将来的に重要中核技術を確立し、時速400キロ以上の高速鉄道技術標準などの整った重要技術体系を自己革新・構築する。国鉄集団も現在、既存の高速鉄道を利用した次世代高速列車の研究活動を統一的に計画中だ。

 他にも北斗衛星測位システム、5G通信技術を利用し、新型スマート列車制御システムを独自に研究開発する。国家鉄路集団の莫志松(Mo Zhisong)工電部通信信号処主管は「新たな列車制御システムは一里塚的な技術革新を実現し、より効率的で、よりスマートに、より環境にやさしくなる」と指摘した。

 莫氏は「スマート列車制御システムは従来の軌道回路の代わりに北斗測位を採用し、5G技術を利用し列車間の直接通信を研究し実現する。測位がより正確になり、安全保障が強化され、鉄道輸送能力が30%以上向上する。スマート列車制御システムはさらに列車群の共同調整を重要な研究方向とし、一部の列車が発車・加速する一方で、別の一部の列車が到着・減速することを実現する。電力を内部で循環利用し、理論上は1人平均の100キロあたりのエネルギー消費量を30%前後減らせる。京滬高速鉄道を例にすると、新型列車制御システムを採用すれば、高速列車の1往復にかかる電力を9000キロワット時前後節約することができる」 (c)People's Daily/AFPBB News