【8月25日 People’s Daily】8月7日、中国江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)に住む許さんは、友人と一緒に浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)寧海県(Ninghai)で海のレジャーを体験した。漁船をチャーターして漁師と共に魚やカニ、貝を取り、そのまま船上で調理された海の幸を堪能。陸に戻ると民宿でゆったり過ごした。

「船上美食ツアーは半月前から予約でき、問い合わせや予約が相次いでいます」と話す寧海湾観光サービスセンター責任者の葛昕(Ge Xin)さん。この2日間で60隻のツアー用漁船は休み無く稼働し、近くの横山島(Hengshan island)に行く観光客も1000人近くに達し、昨年より売り上げは高いという。寧波市内の海岸エリアではさまざまなプランの旅行を企画し、観光客を引き入れている。

 夏休みシーズンに入り、中国各地の観光地はその勢いを取り戻している。オンライン旅行大手の携程旅行網(旧シートリップ)によると、7月中旬に省をまたぐ旅行が約半年ぶりに解禁され、4000社以上の旅行会社が営業を再開。同サイトにツアー商品を提供している。

 7月、8月は草原が最も美しい季節。北京でインターネット会社に勤務する李沐歌(Li Muge)さんは「仲間たちと数人で内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)の草原をドライブする旅行を計画中です。ルートを組む担当、ホテル予約担当とそれぞれ役割を決めて、みんなてんてこ舞いですよ」と笑みを浮かべる。

 新型コロナウイルスの感染が拡大した期間、「ステイホーム」を強いられていた市民は、大自然に溶け込む旅行を選ぶようになった。湖北省(Hubei)十堰市(Shiyan)の観光地・武当山(Wudang Mountain)は週末だけで1万人近くが訪れ、近隣のホテルはいっぱいとなった。湖北省は新型コロナの影響を最も受けたが、森林公園や湿地公園なども観光客でにぎわっている。

 観光客が旅行先で求めるものは、「安らぎ」と同時にコロナ対策の「安全」だ。文化観光省は観光業者に感染対策を求めている。

 重慶市(Chongqing)武隆区(Wulong)は、カルスト地形の奇観が有名な天生三橋、「中国一美しい洞窟」といわれる芙蓉洞、高い山々や草原が人気の仙女山森林公園など、観光地が豊富だ。「7月下旬以降、人の流れが大幅に増え、新型コロナ流行前の70%前後まで客足が回復しました」と話すのは、武隆区のカルスト旅行会社の李建国(Li Jianguo)副社長。「観光客の安全を第一に考え、実名予約制度や定期消毒作業のほか、観光客に専用のQRコードをスキャンしてもらっています。新型コロナ患者が発生した場合、すぐに連絡を取れるようにしていますが、現時点では発症例は一件もありません」。万全の態勢のもと、観光客は「巣ごもり」の時期を終え、大自然を満喫している。(c)People's Daily/AFPBB News