【8月24日 AFP】ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で新型コロナウイルスの感染が拡大し、州都でロックダウン(都市封鎖)が敷かれたことを受け、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が密集した状態で暮らす同州のキャンプで集団感染の懸念が高まっている。23日、ロヒンギャの一人がAFPの取材に応じた。

 同州の州都シットウェ(Sittwe)周辺のキャンプには13万人近くのロヒンギャが住む。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)はキャンプの状況を人種隔離政策「アパルトヘイト」になぞらえて説明している。

 シットウェではここ1週間で48人が新型ウイルスに感染し、ミャンマーでこれまでに登録された感染者約400人の10%以上を占める。

 当局は先週、テー・チャウン(Thae Chaung)キャンプを訪れ、対人距離の確保について話し、手の消毒剤とマスクを配布した。しかし1軒の家に10世帯が共存するのが一般的なキャンプでは、対人距離の確保は不可能だ。

 ロヒンギャのチョー・チョー(Kyaw Kyaw)さんはAFPの取材に「私たちは見捨てられたような暮らしをし、簡単には制御できないため、ウイルスをものすごく心配している」と話した。キャンプの住人は室内に閉じこもっているというが、「ロックダウンが長期間続く場合には助けが必要になる」と話した。

 シットウェでは21日から夜間外出禁止令が出され、国内線の航空便を含むシットウェ行きの公共交通機関はすべて運行を停止。23日、街に人けはなく、用事で出かけようとしたマスク姿の住民がバリケードでふさがれた道路に散見され、路上ではプラスチック製のフェースシールドや医療用マスクが売られていた。(c)AFP