【8月24日 AFP】ロードレース世界選手権(WGP 2020)第6戦、スティリアGPは23日、MotoGPクラスの決勝が行われ、最終コーナーで2選手を抜いたレッドブルKTMテック3(Red Bull KTM Tech 3)のミゲル・オリベイラ(Miguel Oliveira)がポルトガル出身ライダーとして、またチームとして初となる同クラス優勝を果たした。

 モンスターエナジー・ヤマハ(Monster Energy Yamaha)のマーベリック・ビニャーレス(Maverick Vinales、スペイン)の大クラッシュにより、途中で12周の短期決戦となったレースは、レッドブルKTMファクトリー・レーシング(Red Bull KTM Factory Racing)のポル・エスパルガロ(Pol Espargaro、スペイン)がトップでラスト1周を迎えた。

 ここでまずはプラマック・レーシング(Pramac Racing)のジャック・ミラー(Jack Miller、オーストラリア)がエスパルガロをオーバーテーク。しかし迎えた最終コーナーで、タイヤ1個分前に出たエスパルガロがミラーと共に外へ膨らむと、その隙にインへ飛び込んだオリベイラが勝利をさらった。ミラーが2位、エスパルガロは3位となった。

 オリベイラは「すごく驚いた」「自分がトップでフィニッシュラインを切ったことにね。チェッカーフラッグが見えて、近くに誰もいなかったから、『勝つんだ』と思った。うれしかったよ。超クールだ」とコメントした。

 ビニャーレスはブレーキが故障するアクシデントに見舞われて自らコースに体を投げ出し、無人のバイクは安全バリアーに突っ込んだ。この中断で割を食ったのが、トップで走行していたチーム・スズキ・エクスター(Team SUZUKI ECSTAR)のジョアン・ミル(Joan Mir、スペイン)で、他チームがこの間にタイヤを交換したのに対し、ミルには使えるフロントタイヤがもう残っていなかった。

 エスパルガロも、中断がミルの優勝を阻んだことを認め「きょうは僕らのレースではなく、ミルのレースだった。彼が一番速かった」と話している。

 ミルが4位に終わった一方、歴史をつくったオリベイラは「MotoGPの900レース目で、ポルトガル勢初の優勝だ」「僕らがベストだ。自分にとって、母国にとって歴史的な一日になった」とコメントした。

 総合順位では、この日13位だったペトロナス・ヤマハSRT(Petronas Yamaha SRT)のファビオ・クアルタラロ(Fabio Quartararo、フランス)が、5位に入ったドゥカティ(Ducati Team)のアンドレア・ドビツィオーゾ(Andrea Dovizioso、イタリア)と3ポイント差の首位を守っている。(c)AFP