【8月24日 Xinhua News】中国甘粛省(Gansu)白銀市(Baiyin)靖遠県(Jingyuan)の大兵道古道遺跡でこのほど、地元住民が古代の岩絵群を新たに発見した。郷土史家によると、同地で多く発見されている岩絵群は、古代の遊牧民族が黄河流域で活動していたことを強力に裏付けているという。

 大兵道は黄河中上流域の西岸、靖遠県の中心市街地から三十数キロ北にある。今回見つかった岩絵は、黄河から500メートル余り離れた西向きの二つの岩に描かれていた。内容は豊富で、題材も多岐にわたり、はっきりと見て取れる図像は30近くあった。腰をしばった長衣を着た人や弓を射る人、ウマやヒツジ、シカなどの動物が描かれていた。

 郷土史家の何璞瑜(He Puyu)さんは岩絵について、写実的で図像も簡潔かつ変化に富むと指摘。古代遊牧民の生活風景や服装などを生き生きと表現していると述べた。

 何さんは「大兵道はかつて駐屯兵が放牧や樹木の伐採をしていた地。河西回廊の重要な通路の一つでもあった」と指摘。戦国時代以前に戎(じゅう)や羌(きょう)と呼ばれた少数民族が長期にわたり靖遠と周辺地域を占拠していたとする史料の記載もあるとし、山を背にして川に面した三灘鎮一帯が当時、北方遊牧民族の理想的な遊牧地だったと説明した。

 岩絵群の発見は、大兵道で4カ所目、靖遠県で9カ所目となる。中国古代の西北地区における歴史や文化、生産方式、地理の変遷などを研究する上での形象史料になるという。(c)Xinhua News/AFPBB News