【8月23日 AFP】世界保健機関(WHO)は20日、コンゴ民主共和国北西部で3か月に満たない間にエボラ出血熱の感染者が100人確認されたと発表し、エボラ対策の資金が不足しているとして警鐘を鳴らした。

 今回の流行は、6月1日に同国赤道(Equateur)州で報告されたもの。同国では当初、2000人超が死亡した東部地域での流行の収束を宣言する準備が進められていた。

 WHOによると、同国でエボラが流行するのは、ウイルスが1976年に特定されて以来11度目。今回の感染はその後、州内の17保健区のうち11区に拡大し、43人が死亡した。過去5週間で、感染者数は2倍に増えているという。

 WHOアフリカ地域事務局のマチディソ・モエティ(Matshidiso Moeti)局長は、「100日未満でエボラ感染者が100人となり、赤道州での感染が懸念すべき形で進んでいる」と述べた。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、スイス・ジュネーブで行われた記者会見で、発症してからエボラ感染疑いの警戒情報が出るまでに5日を要していることについて、遅滞が生じていると懸念を表明。

 テドロス氏は「懸念すべきことだ。なぜなら、患者が治療を受けずに過ごす期間が長引くほど、生存率は低くなり、ウイルスがより長い間にわたって知られないまま地域に拡大することになるからだ」とし、「医療従事者らがストライキを実施し、ワクチン接種や安全な埋葬などの活動に影響が出ていることから、状況がより複雑化している」と述べた。

 エボラ出血熱の対応に当たる医療従事者らは今月初め、給与の支払いを求めてストに突入した。(c)AFP