【8月23日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)が22日、新型コロナウイルスの感染拡大後、初めて観客の入場を認め、スター選手のオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)が決勝点を挙げて試合を盛り上げた。

 この日蘇州(Suzhou)で行われた優勝争いのライバル、北京国安(Beijing Guoan)対上海上港(Shanghai SIPG)の一戦は、2000人を上限に観客を入れて開催され、昨年末に新型ウイルスが最初に確認された中国にとっては大きな前進となった。

 イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)から6000万ユーロ(約74億円)で上海に加入したオスカルは、少数ながらもファンが戻ってきた喜びを味わっていたようで、まずは同点弾を演出すると、76分には2-1とする逆転ゴールを決めた。

 上海はこれで、遅れて開幕した今季の無敗を維持している。試合を終えたオスカルはまばらな観客に向けて投げキスを送り、敗れた北京の選手はサポーターへの感謝の横断幕を広げた。

 上海のヴィトール・ペレイラ(Vitor Pereira)監督は、「サポーターのいないサッカーはサッカーじゃない」「ファンに勝利を届けられてとてもうれしいし、彼らも今は喜んでくれていると思う」「われわれはクラブとサポーターを代表して魂を込めて戦ったし、彼らのためにもうれしい」とコメントした。

 リーグの段階的な再開プランの一環で、関係者は一部の試合で少数の観客を入れることを考えているが、ファンは感染拡大防止のための厳しいルールに従わなくてはならない。

 両チームのファンはバスでスタジアムに入り、前の週に検査で陰性が出ていなければならず、場内では1メートル空けて座ることを求められた。また、ルールでは試合中マスクを外してはいけないことになっていたが、気温が30度あったこの日は関係者も規則を緩めたようだった。

 中国スーパーリーグは、スポーツ界でも特に早い段階で新型ウイルスの影響を受けた大会で、2月22日に開幕予定だったシーズンは、無期限延期を経て7月25日にようやく無観客で開幕。各チームは上海近くの蘇州と北東部の大連(Dalian)に設けた安全な二つの「バブル」にとどまり、シーズンを戦っている。(c)AFP