【8月23日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセルに拠点を置く若きベンチャー企業が、コーヒーをドリップした後に残るかすを再利用し、100%オーガニックのヒラタケを都心で栽培している。

 循環型経済を目指す「ペルマフンギ(PermaFungi)」起業のヒントは2013年、共同創業者のジュリアン・ジャケ(Julien Jacquet)さん(36)がタイで自転車旅行をした際に見いだされた。

 コーヒーかすの堆肥活用は園芸愛好家の間では知られているが、そのコーヒーかすでキノコを育てている農園に出会ったのだ。

 帰国したジャケさんが周囲にこの話をすると、皆が興味を示した。カフェとレストランで年間何千トンものコーヒーかすが廃棄されるブリュッセルなら、実現の可能性があった。

 ジャケさんによると、収益を上げるのは楽ではないにしても、会社設立から6年を迎えた今では、毎月平均1トンのヒラタケ栽培量を誇るという。ヒラタケは、1キロ当たり15ユーロ(約1900円)で売れる。

 ペルマフンギはオーガニックレストランチェーン2社と提携。毎朝都内を自転車で回り、ヒラタケの培地となるコーヒーかすを回収する。

 キノコの根に当たる菌糸を、コーヒーかすとわらを交ぜ合わせた培地に植え付け、円筒形のプラスチックの袋に入れる。ここで最終的にキノコの「芽出し」を起こす。

 水の噴霧器を備えた低温の栽培室で縦につるされた袋には、ヒラタケが外界の空気を吸うのを助けるかのように、あらかじめ刃物で穴が開けられている。15日後には、袋の外側に生え出したヒラタケを収穫できる。

 同社はブリュッセル中心部にある歴史的建造物の地下に、1000平方メートルのキノコ栽培場を設けている。

「従来の農業に取って代わるわけではないが、各国、各都市が消費する食料の一部を生産することは重要だ」とジャケ氏。新型コロナウイルスの世界的な大流行のような移動制限を伴う「打撃」を受け、長距離輸送による流通の限界が明示された今、地産地消の重要性はますます高まると話している。

 映像は7月撮影。(c)AFP/Matthieu DEMEESTERE