【8月22日 AFP】太平洋の島国キリバスで、同国駐在の中国大使が歓迎式典の一環として、うつぶせになった人々の背中の上を歩き、その姿を撮影した写真がインターネット上で拡散したことを受け、中国政府は20日、この行為がキリバスにとっては文化的に適切なことだったと擁護した。

 唐松根(Tang Songgen)駐キリバス中国大使は、両国の国交樹立以降では初めてキリバスを訪問。この歓迎式典の様子を撮影した写真や動画はインターネット上で爆発的に拡散され、批判を招いた。あるツイッター(Twitter)ユーザーは「動揺する」とコメントし、別のユーザーは「債務者に対して中国がやることを象徴している」と指摘した。

  こうした批判を受け、中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は反論を展開。「地元政府と人々からの温かい要請を受け、そしてキリバスの文化や風習への敬意から、唐大使は最終的に、到着の際に地元の民俗的な風習が含まれた式典に出席し、受け入れた」とした。

 同報道官によると、人々の背中の上を歩く風習は「キリバスで最も格式の高い伝統的な歓迎の儀式」で、1998年にオーストラリアの当局者が訪問した際などでも実施されたという。

 同報道官は、一部の人々が「政治的な動機」から写真を批判したとし、「一部のオーストラリア人は、キリバス独特の風習を持つことを知っていながら、故意に中国を中傷し名誉を傷つけた」と指摘。「われわれは、太平洋諸国と交流する際、地元の風習や文化を全面的に尊重している。郷に入っては郷に従え、だ」と述べた。(c)AFP