【8月22日 AFP】元米プロバスケットボール(NBA)の選手で現在は中国プロバスケットボールリーグの北京ダックス(Beijing Ducks)に所属しているジェレミー・リン(Jeremy Lin)が、両親の出身地である台湾の旅券を取得したと、台湾政府関係者が明かした。

 2012年に「リンサニティー(Linsanity)」と呼ばれる熱狂的な現象をつくり出したリンは、米国市民権を保有している一方で、台湾のパスポートを取得する資格を持っている。台湾は二重国籍を認めている。

 台湾の徐国勇(Hsu Kuo-yung)内政部長(内相)は今週、リンの父親と面会し、「内政部は台湾の息子の帰還を歓迎する」と語っていた。台湾の政府関係者も、パスポートが発給されたことを認めた。

 昨年はNBAのトロント・ラプターズ(Toronto Raptors)でアジア系米国人初のファイナル制覇も経験した31歳のリンは現在、制限なしのフリーエージェント(FA)で契約した北京ダックスに所属し、つい先日シーズンが終了したばかりだった。

 台湾の報道によれば、リンが台湾旅券を取得したのは、中国バスケットボール協会(CBA)が定める外国人枠に入るのを避けるためとみられている。CBAでは、台湾人は外国人として見なされない。

 中国の政府は、70年以上も別々の統治を敷いているにもかかわらず、民主主義の台湾を再統一を待つ自国の領土の一部と見なしている。(c)AFP