【8月22日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は21日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な流行)が、1918年から世界的に流行したスペイン風邪より短い「2年未満」で終息することを期待していると述べた。

 スイス・ジュネーブのWHO本部で記者会見したテドロス氏は、「このパンデミックを2年未満で終息させることを期待している」と述べ、スペイン風邪よりも短期間で新型コロナウイルスを封じ込めることは可能なはずだと述べた。

 テドロス氏は、現在の世界は「グローバル化、(人々の)密集や接触」によってスペイン風邪の時代より感染封じ込めで不利な状況にある一方、優れた技術によって優位な点もあると指摘。「利用可能なツールを最大限に活用し、さらにワクチンなどが利用可能になれば、1918年のスペイン風邪よりも短期間で終息させることができると思う」と述べた。

 AFPが集計した公式データによると、世界ではこれまでに2300万人近くが新型コロナウイルスに感染し、80万人近くが死亡した。近代史で最も被害が大きかったスペイン風邪のパンデミックでは、世界で5億人が感染し、死者は約5000万人に上った。

 スペイン風邪のパンデミックには3波あり、最も大きな被害が出た第2波は1918年後半に始まった。その後、スペイン風邪ウイルスははるかに害の少ない季節性ウイルスになり、数十年にわたり発生を繰り返している。(c)AFP