【8月21日 Xinhua News】中国の南京大学(Nanjing University)は20日、同大学の張辰宇(Zhang Chenyu)教授率いる研究チームが、哺乳動物の胃に特殊なタンパク質SIDT1があり、食物中のマイクロRNA(miRNA)を吸収することを発見した。研究成果は10年近く議論されてきた学術的課題に答えを与えるもので、国際学術誌「Cell Research」に掲載された。

 張氏のチームは最新の研究で、哺乳動物の胃粘膜の頂端細胞には外来性のmiRNAを吸収する鍵を握る特殊なタンパク質SIDT1があることを証明。さらにメカニズムを分析し、SIDT1がmiRNAを吸収する際には酸性の環境が必要で、このため胃が食物性miRNAを吸収する主要な部位となっていることを明らかにした。

 南京大学生命科学学院副院長で生物化学教授の董磊(Dong Lei)氏は「従来の消化生理学では、胃は食べ物を蓄える器官であり、消化機能が弱く少量の水分やミネラル、アルコール、アスピリンなどの物質しか吸収できず、核酸などは腸管で消化され、腸上皮細胞に吸収されると考えられてきた」と説明。今回の研究で、従来の認識を変えるような胃の機能を新たに発見し、miRNA関連の医薬品開発に新しい考え方を提供したと述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News