新型コロナ、異なる対策で混乱? オランダにあるベルギーの飛び地
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【9月15日 AFP】オランダ南部にはベルギーの小さな飛び地があり、道路はもちろん、店舗や住宅の中にも国境線が敷かれている。ここで暮らす人々は、両国の二つの制度を尊重しながら日々、新型コロナウイルスと闘うことを強いられている。
このベルギーの飛び地は、バールレヘルトフ(Baarle-Hertog)という小さな町で、オランダのバールレナッサウ(Baarle-Nassau)の中に位置している。22の飛び地は、50キロ離れたアントワープ(Antwerp)州に属するベルギー領だ。
これまで、オランダにすっぽりと囲まれていることを不安視するバールレヘルトフの住民はほぼいなかった。中には、国境線によって玄関と住空間が別々の国に属している家もある。
しかし新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)が発生すると、ベルギーにはベルギーの、オランダにはオランダのルールが制定されたことから混乱が生じた。
■マスクをするのかしないのか
ベルギーのバールレヘルトフでは、公共の場でのマスク着用が義務づけられている。しかしオランダのバールレナッサウでマスクの着用が求められるのは、公共交通機関を利用する時だけだ。
ここでアートギャラリーを営むシルビア・レイブルック(Sylvia Reijbroek)さんは、「私の店を訪れる人たちは、マスクを着ける必要があるのかどうか分からずにいる」と話す。ギャラリーの床には、国境を示す白線が引かれている。
オランダ人であるシルビアさんは、ギャラリーが二つの国に分かれていることをこれまで楽しんでいた。しかし新型コロナウイルス感染症の大流行が発生して以来、「あまりいいことではなくなった」と話す。
ギャラリーの入り口はベルギー側にあり、訪れる客はマスクを着ける必要がある。ただ、奥に数メートル進めばそこではマスクを外すことができる。「国境を越える」ためだ。