【8月20日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は米自治領プエルトリコを汚く貧しいと評し、売却かデンマーク領グリーンランド(Greenland)との交換を希望した──トランプ政権の元高官が19日、米テレビでこんな逸話を明かした。

 国土安全保障省の首席補佐官だったマイルズ・テイラー(Miles Taylor)氏は、ニュース専門局MSNBCの番組で、プエルトリコが2017年に2度の大型ハリケーンに見舞われ米政府が支援活動を行った際のことだと説明した。

 それまでにもグリーンランドの取得について繰り返し発言していたトランプ氏は2018年、米当局者のプエルトリコ訪問直前に、プエルトリコとグリーンランドの交換を真剣に提案したという。

「彼(トランプ氏)はわれわれに、グリーンランドを購入したいと言っただけでなく、実は、プエルトリコを売却できるか知りたい、グリーンランドとプエルトリコを交換できないか、と言った。その理由は、彼の言葉を借りるなら、プエルトリコは汚くて人々が貧しいからだそうだ」とテイラー氏は語った。冗談とは思えなかったという。

 テイラー氏は「米大統領が、自国の領土を米国民から取り上げて外国と交換したがったという事実は、苦々しいどころではなかった」と述べた。

 トランプ氏は2019年、グリーンランド購入の提案をデンマークのメッテ・フレデリクセン(Mette Frederiksen)首相に「ばかげている」と一蹴され、デンマーク訪問を取りやめている。(c)AFP