【8月20日 AFP】80年前、ロシアの革命家レオン・トロツキー(Leon Trotsky)が暗殺された亡命先のメキシコの自宅の壁には、今日も弾痕が残されたままだ。弾痕は、暗殺される以前にもトロツキーが命を狙われていたことを物語っている。

 トロツキーは、メキシコ市の緑豊かなコヨアカン(Coyoacan)地区で晩年を過ごした。これらの弾痕を残した襲撃を受けた後、トロツキーは、死は「もうおなじみだ」「スターリンの黒い憎悪に世界半周分も追われてきた」と現地紙に語っている。

 魔の手が迫っていたトロツキーは、その数か月後の1940年8月20日、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)の刺客に暗殺された。殺害に使われた凶器は登山用具のピッケルだった。

 トロツキーの自宅は、現在は博物館として残されている。同地には、鎌とハンマーのマークが刻まれたトロツキー夫妻の墓石がある。

 監視塔や高い壁、そしてスターリンの刺客が残した壁の弾痕は、トロツキーが晩年をどのように過ごしたかを今も物語っている。(c)AFP/by Natalia Cano with Moises Avila in Havana