【8月20日 AFP】台湾は19日、中国のハッカー集団が台湾の少なくとも10機関に侵入し、約6000の電子メールアカウントを盗もうとしたと発表した。

 台湾のサイバーセキュリティー当局高官は、被害規模は「小さくない」とする一方、影響の全容は現在も調査中だとしている。

 中国政府が主張する「一つの中国」の受け入れを拒否し、事実上の独立国家だとの立場を取る蔡英文(Tsai Ing-wen)氏が2016年に総統に選出されて以来、中国はサイバー攻撃を強めていると台湾は批判している。

 台湾法務部調査局のサイバーセキュリティー調査室によると、2018年以降「ブラックテック(BlackTech)」と「タイドア(Taidoor)」という二つの著名ハッカー集団が、台湾当局や情報サービス企業などを標的に攻撃を行っているという。

 サイバーセキュリティー調査室の劉家宗(Liu Chia-zung)副主任はAFPの取材に、「これら6000の電子メールが流出したことは分かっている。被害の範囲については現在調査中だ」と説明した。

 さらに劉氏は、「侵入による被害は小さくないと思われる」「この脅威について警告し、さらなる被害を食い止めるために公表している」と続けた。(c)AFP